​​会社員、サラリーマン、ビジネスマン、ビジネスパーソン、あるいは社畜と言われる職業がある。

一部のエリートややり手を除き、見事なまで潰しが効かない職業だ。

会社の中で培ってきた技術、ノウハウ、経験、知識は、他の会社では通用しないことが多い。

転職をすればするほどジリ貧になる。

これまでの経験や知識が全く役立たない、同じフィールドの職種だとしても、会社が違えば通用しない。

しかし、会社の中でそれしかやってこなかった人はしがみつくしかない。

自分にはそれしかないと思っているからだ。



これまで培ってきた経験や知識を活かすことができない悲劇。

ここではじめて根本的な人間力が必要だと気づく。

しかし、長い会社員生活で、組織の中でしか通用しない自分であることもわかっている。

このままでいいのかという強い焦り、しかし外に飛び出したいが、通用するかもわからない不安。

何をやっても中途半端だ。

成功を望みながら成功が程遠い現時点での自分。



ならばこの会社に一生を捧げよう。

自分が会社の中で培ってきた経験や知識をフルに使って、会社に貢献し出世しよう。

会社を信用しよう。

そう思う人もいる。

しかし、会社は営利組織だ。

そしていくら社員が会社を信用しようとしても、会社の方から見たらどうか?



ちょっとでも状況が変わり、風向きが変わり、人事が変わり、方針が変わり、不景気や時代の波に取り残されてしまったら、平気で会社は社員を切り捨てる。

これまで会社が自分色に染めてきた外で通用しない社員たちを、平気で荒海に放り投げて後は知らんぷり。

会社が生き残るのが第一だからだ。

無駄な人間はいらない。

会社は裏切る、平気で見捨てる。

裏切らなくても、会社自体が倒産したらみんなクビだ。

そんな時、外で通用しない自分だけが取り残される。

人生の時間が過ぎるほど、会社員生活が長いほど、社畜精神が身につくほど、何をやってもジリ貧に陥っていく。

そうなったら後の祭りだ。